アロマセラピー講座コラム「文字・言葉 」のコミュニケーションと心

会話とは異なる「文字・言葉 」のコミュニケーション

今やコミュニケーションの手段として欠かせない携帯電話。けれど、その状況が急速に普及したのはつい15年ほど前から。この急激な変化についていけている人と、そうではない人がいることを私たちはまず理解しなければいけません。

スマートフォンをスムーズに操作・活用できることは決して「当たり前」ではありません。そして、こういったコミュニケーションスタイルの変化により、私たちの心に影響する問題点が浮かび上がってきています。それは、相手の感情を推し量ることができない「文字・言葉」です。

たとえば、皆さんが職場の同僚や取引先、友人、家族からメールやメッセージをもらった時に、楽しいことや嬉しいことばかりではなく、

時には、

「どうしてこういう書き方をするんだろう。ひどいな」

「どうしてわかってくれないんだろう。そういう意味じゃないのに」

「何を伝えようとしているのだろう。誤解しているのかな」

など、画面の向こう側にいる相手の心と意図に戸惑うこと、さらに苦しくなったり自分自身でイライラしたり不安になってしまったりということはありませんか?

 

 

でも、いますぐにそのメールに長文で返信したり、今感じていることをそのまま書いて送るのは、ちょっとだけ待ってください。書いてみることはとても良いことですが、送信する前にまず下書きに入れてください。この場合、間違って送ってしまわないように、宛先はまだ入れないでおいてくださいね。

私たちがメールやメッセージに言葉を乗せる時、どうしても相手と直接「会話をする」という状況とは違った要素が生じてきます。そのため、メールで文字を送るということだけでは、実際に顔を見て話をする時ほどには、自分と相手の感情やコミュニケーションをうまく図ることができません。また、実際に顔を見て話をするということは、言葉だけでメッセージを送るのとは違った満足度が心理的に生じるといった実験結果もあります。

 

心の状態が身体にもたらすサイン

デジタルコミュニケーションによる、相手の顔が見えない状態下での文字や言葉から受ける印象や内容が原因で、私たちはさまざまな不調を感じることがあります。偏頭痛を感じたり、急に呼吸や胸の苦しさを覚えたり、怒りの感情で熱くなってきたり、胃腸の調子が悪くなって下痢や便秘の症状を感じたり、身体全体がこわばって循環の悪さにつながったり、血圧が変化したり……。

これは、決して単なる身体の不調ではなく、心のもたらす感覚が自律神経の働きに大きく影響したと予測される体調変化であり、それらの症状は心が身体へと伝えている「サイン」なのです。

実際には、自律神経による心身の調節で、自動的に不調を軽減しようとする働きが私たち人間にはある程度備わっているため、ほんの少し症状として感じる時点で、その不調は明らかに蓄積された結果として捉える必要があります。そのため、このような要因で発生する症状は、ただ単に一部の身体のケアで対処しようとしても一瞬しか軽減されず、継続して同じような症状が発生してしまいます。大切なのは、「包括的にその症状にはどんな要因が絡んでいるのか」を紐解いて、適切なケアを行っていくことです。

もちろん、そのような客観的な状態は自分だけでは判断ができないことも多いため、専門家やセラピストからのアドバイスが気づきに繋がることもあります。

 

自分の中で安定した「トーン」を作る

メッセージやメールを交わした相手が嫌な気分になっているのか、辛い状態なのか、悲しい状態なのか、嬉しいと感じているのか、楽しさを感じているのかは、直接顔を合わせていないため分かりづらいものです。言葉では表現し難い、もしくは言葉だけでは相手と同じ感覚を共有しづらいこともあるため、時にメッセージやメールは心理的に人を追い込んでしまうツールへと変わってしまうことがあります。私たちは、感情と感覚を強く伴う人間であり、自分がどういった状態なのか? によって、発するものやアクションが変化する生き物なのです。

そしてその変化は、周りの人たちにも影響を及ぼします。相手と直接話をしないからといって、メッセージやメールによって相手に嫌な印象を与えたり、相手を批判したり攻撃するような言葉を使って良いというものではありません。また反対に、自分が受け手側の場合も同じように考えなければいけません。

「褒めてくれているけど、本当にそう思っていないのではないか」

「意地悪だな。その言葉にとても傷ついてしまった」

「こんなに近くにいるのだから、メッセージだけじゃなくて一言声をかけてくれればいいのに」

「メッセージやメールが命令口調でやる気にならない」

「こんなに忙しいのに、メールで送ったのを見ていないんですかってそれだけ??」

「ちゃんと読んでくれていないんじゃないか」

「内容を理解してくれていないのではないか」

「そんなつもりじゃないのに」

このように、心が全く通っていないと思えるネガティブな感覚は誰しもが感じたことのあるものだと思います。

そして、これらの感覚を文字として改めて目にした時、日々感じているこのマイナスの感情が私たちの心にストレスとして蓄積されるものであることもまた感じることができると思います。

 

相手の立場になって考えてみる

では逆に、メッセージやメールに自分の感情を込めなければコミュニケーションの問題が起きないか? というと、もちろんそうではありませんよね。どうしてこんな書き方になるの?というサラッとしたメールもあります。

仕事の中では、一見とてもドライで冷たいような文章だけが交わされることもありますが、相手にとってみるとそれが何も意図のない通常のメール内容として送っているつもりの場合もありますし、性格的に端的に要点だけを書くことがメールの役目だと思っている人もいます。その方が仕事が早く進むとか、そのような環境で仕事に慣れてきたなど、理由は様々でしょう。

感情を込めないメッセージやメールは、直感的にさらに「冷たい」と感じられ、相手が受ける印象も悪くなります。だからといって、内容や状況によっては毎回充分な感情を挿入することができない場合もあるため、まず自分が心地よく、相手側に角が立たないような「自分のトーン(口調や言い回し)」を自分で理解しておくことが大切です。

誰かにメッセージやメールを送る時、感情的になっているなと感じたら、まず一呼吸おいて、「自分がこのメールをもらったらどう思うか?」を一番に考え、今すぐ送るべきなのか、時間を少しおいて再度見直してから送るべきなのか? を確認することが重要です。自分がもらった時に、十分に要件が記され、そして気持ちが伝わる内容となっていれば、それは文字数が少なくても十分に伝わります。遠回しに要件や結論がなかなか見えないような書き方、言い訳や過程の説明が長すぎる書き方、要件とは別の内容が多すぎる書き方など、「受け取った側の立場で一度読んでみる」と、あらためて見えてくる視点があります。

現代の日常生活において、あまりにも当たり前になってしまった携帯電話というツール。それは、私たちが想像する以上に、私たちが感じるさまざまなタイプのストレスへと変化し、積み上がっている日々を過ごしています。

そんな状況を少しでも緩和するために

まさにこの瞬間、深呼吸をしながら。自分のメッセージに込められている言葉や伝え方に、相手への「優しさ」があるか? を確認してみてください。

私たちはきっとそんな少しの「優しさ」に日々支えられ、そしてその「優しさ」を交わすことで、お互いが気持ちよく過ごせているはずです。相手に期待するのではなく、日々忘れがちな「心のアクション」として、まず自分から考えてみる時間も必要だと思うのです。

私たちがご提供しているアロマセラピー(芳香療法)の精油の香りは、私たちの鼻の嗅細胞から電気信号となって脳へダイレクトに届き、自律神経やホルモンバランスに影響を与えます。まずは香りを十分に感じるように「深呼吸」から。

そして何か心のアクションを起こす前に、自分の心身のバランスを整える時間として、精油の香りを感じ、そして深呼吸するというアクションを、セルフケアとして生活の中に加えていただきたいと願っています。